翌日、知床野営場を出発しまずは知床峠を目指す。
知床横断道路は大自然の中を走り抜ける爽快な道路である。特に知床峠が近くなると羅臼岳の壮大さに圧倒される。前回北海道を訪れた際にすっかりお気に入りとなった道である。
しかしこの日は霧が出ており、視界がよくなかった。まあこんな日もあるだろう。
まだまだ後日、天候のよい知床に巡り会えるチャンスはある。
霧のなか、慎重にバイクを走らせ、羅臼の道の駅に到着。つかの間の休憩を挟んで海岸沿いを南下した。
そろそろお昼という頃、標津の町に到着。サーモン科学館なる施設への案内標識があることから鮭漁が盛んな地域に違いないと踏んで、ここで昼食を取ることに。「日本一のイクラ丼」と書いたのぼりを掲げる武田さんへ。せっかく北海道をへ来たのだからとイクラ、ウニ、たらば蟹がてんこ盛りの「三色巴丼」にした。確実に美味かった。
ザ・北海道の味に満足したらさらにバイクを南下させ、いよいよ今回の北海道旅で最も来たかった場所の一つ、野付半島へ入っていく。
何もない草原にただただまっすぐに続く道。時折草原のなかに漁師たちの小屋や朽ち果てた舟のようなものが見える。北海道の中でも道東と言うところはこの「さいはて感」がたまらない。
しばらく走りネイチャーセンターに到着。
ここから野付半島の自然の中を歩いて散策ができるとの事でバイクをおいて歩いてみる。
ネイチャーセンターを出て散策路に入るとすぐに野生のエゾシカを見ることができた。
この風景。本当にここは日本なのだろうか。そう思いながら本州では見慣れない草が膝上まで生い茂った散策路をしばらく歩く。
因みにこの散策路は先端の方まで片道20分くらい歩くのだが、トラクターに乗るという選択肢もある。確か往復で500円だったと思う。
そして「トドワラ」と言うところに着いた。ここが目的地だったらしい。ネイチャーセンターに案内があったのだろうが何も見ずに出てきてしまっていた。
トドワラは、とど松が立っているところに海水が侵食し、枯れてしまった後、また水が引いて島の上に枯れたとど松が残っているという。
だだっ広い景色をしばらく眺めていると癒される気持ちになる。絶景を堪能することができた。
再びバイクで走り出したら元来た道を辿って知床野営場を目指す。
途中、北方領土の国後島がはっきり見えた。なるほどネイチャーセンターにも書いてあったが野付半島は国後島に最も近い位置関係だった。
知床の野営場に戻るとちょうど夕日がオホーツク海に沈もうとしていた。
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