翌朝、撤収作業をしていると、車でやってきた老夫婦が七輪を持ってこちらにやってきた。
「今日はここに泊まるの?」
「いえ、昨日泊まって片付けてるところです。」
「あらそう。お父さん、ここが空くわよ!」
ここでこれから何を焼くのだろう?
気になりながらもその場を後にした。
日本海沿いに札幌へ向かって南下する。風が心地よい。
この日は前回のオイル交換から5000km以上走っている愛車のオイル交換をするため、札幌のバイクショップ2りんかんへ立ち寄ることを決めていた。
お昼過ぎに2りんかんへ到着し、オイル交換を依頼する。
予約があるので、最速で17:00の作業開始となるらしい。ではそれでと予約を取る。
しかし3時間も店内をウロウロするのもつらい。いったんこの日予約をとっているスーパーホテルすすきのへ向かう。
コロナ禍の影響なのか、シングルベッドではあるがちゃんとしたホテルの部屋が一泊2千円である。
さらにこの日は札幌市が独自でやっているキャンペーンで札幌のホテルに宿泊してくれたということで3千円分の飲食クーポンをくれた。実質マイナス1000円で宿泊できることとなった。
16:30になり、再びバイクで2りんかんへ。
1時間ほどでオイル交換が終わり、ホテルへ戻る。
ホテルの向かいにある居酒屋で北海道の美味い物を堪能した。5千円ほどのお会計になったが3千円のクーポンを使い、2千円足らずで贅沢な北海道の味覚を堪能した。
翌日は札幌からほど近い支笏湖へ。
支笏湖では「ちっぷ」という文言が目に付く。
ちっぷとはヒメマスのことのようである。
ランチには支笏湖名物、ちっぷのフライを食べてみた。
それなりに大きな魚のフライなのだが、頭からしっぽまで全部食べられるとのこと。
店員さんから「頭から行っちゃってください」と言われて、頭からかじってみる。
なんと柔らかい。そして鱒の仲間なので、鮭のような味である。こんなおいしい魚のフライがあったのかというほどの美味であった。
そしてその日は支笏湖からしばらく走って洞爺湖に到着。以前サミットが執り行われた場所である。
今回北海道へ来たいくつかの目的のうちの一つを果たすため、洞爺湖湖畔のキャンプ場へチェックインする。
テントの設営をしているうちに夕方になり、キャンプ場からバイクで走り洞爺湖の温泉街へ行く。
辺りが暗くなってくると遊覧船が現れた。
この年は地元で毎年恒例もコロナの影響で中止となった。
洞爺湖では夏から秋にかけて毎日花火が上がるという。
遊覧船に乗ると湖面に花火が映りきれいだという。
遊覧船のチケットを購入し、乗ることにした。
花火が揚がる10分ほど前に船が出港した。
真夏ではあるが北海道の夜の湖上では少し肌寒いなと思っていた。
しかし、花火が上がり始めるとそんなことはどうでもよくなる。
花火は洞爺湖に面したホテルなどから上げているという。
地上からでも十分見えるだろうが、遊覧船からの見栄えがベストになるように上げているようである。
時間にすると数十分。あっという間だった。
花火の余韻に浸りながら静かなキャンプ場に戻った。
ふと空を見上げると、満点の星空となっていた。
せっかくなのでカメラに収める。
今日もいい日になった。明日もいい日になりそうな気がする。
そんなことを考えながらテントに入り眠りについた。
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